Shadeless / Unlit 環境でのテクスチャ画像の比較 (古代瓦編)3D Model
【趣旨】
フォトグラメトリによる考古資料等の3Dモデルの拡散マップ (色のテクスチャ画像)は、影の写り込みを極力排除した写真群から生成されることから、一般的に陰影や立体感の乏しい画像となる。このため3Dデータの公開活用の場面では、ポリゴン数の削減 (ローポリ化) だけでなく、法線マップ・AO (アンビエントオクルージョン/ 遮蔽) マップ、ポストプロセスなどを用いた凹凸や立体感の再現が必要となる。
しかし、上記レンダリング (描画) 機能を備えないwebやアプリで3Dデータを公開する場合、モデルの立体感や陰影が再現できない可能性がある。
このため、フォトグラメトリソフトによる無加工の拡散マップと、Blenderを用いて立体感や陰影を加工した拡散マップとを比較することで、後者の手法の有効性を示す。
なお、上記課題は中村亜希子@瓦頭斎さんやtessie::tessie()さんとのやり取りでご指摘いただいたものです。
【比較する3Dモデルとテクスチャ画像】
河内寺廃寺跡出土平瓦をローポリ化したモデルで比較する。
左: フォトグラメトリソフトで書き出した無加工の拡散マップ
右: 上記拡散マップにローポリ用の法線マップに基づく遮蔽や影をミックスし、新たに作成した拡散マップ
【Blenderでの作業】
シェーダーエディタでローポリ用の拡散マップと法線マップをAOノードを経由し、ベースカラーに接続。直接照明から生じる影を含めて、拡散マップ (ディフューズ) にベイク。詳細はダウンロードファイル内のスクリーンショット参照。
【比較】
* Sketchfabでは、Shadeless (Unlit) を選択。ポストプロセスも設定していない。
* 無加工の拡散マップを用いた左のモデルに比べ、右のモデルでは凹面側正面から見た時の湾曲や、桶の側板痕や布目痕など凹凸形状が再現されている。これは凹んだ部分の遮蔽や、任意の光源位置から発生させた影を拡散マップに色付けしたことで、陰影表示が際立ったため。
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